8月の「青と夜ノ空セレクト便」で送った本２

８月の「青と夜ノ空セレクト便」幕の内弁当コースで送った本を紹介します。

キーワード“夏休み”からイメージした本は、

「海のふた」（よしもとばなな 著、名嘉睦稔 版画、中公文庫）です。

夏の季節を描いた作品、そしてこの夏、読んでほしい本ということでセレクトしました。

西伊豆の小さな町を舞台に、二人の女性の交流を描いた物語。

故郷に戻ってかき氷屋を始めた“まり”と、大切なおばあちゃんを亡くしたばかりの“はじめ”はひと夏、一緒に暮らすことになります。

以前は観光地として栄えていた町を歩き、行動を共にしながら、二人は真の友達に。

お互いのことを話していくなかで、失っていくもの、変わっていくもの、そして変わらないものを再確認していきます。

よしもとばななさんの文章は、読む側の心にスッと入ってくるような感覚があります。

本書を読んで清々しい気持ちになりました。

また、名嘉睦稔さんの版画の挿絵がとても美しく、この本をより一層、深い内容にしてくれていると思います。

※現在、本書の在庫があります。