2015年 06月 12日
「小さなユリと」&「いちべついらい」 |

「小さなユリと」(黒田三郎著)
「いちべついらい 田村和子さんのこと」(橋口幸子著)
ともに吉祥寺の夏葉社さんより発行されました。
「小さなユリと」は完全復刻版の詩集。
黒田三郎さんと娘のユリさんとのささやかな日々をつづった詩です。
表紙のユリさんの絵が何ともかわいらしいです。
最初読んだ時は何だか気の弱い人!?の詩だな、なんて思ってしまったのですが、もう1回読んでみると、娘さんへの愛情が随所に表れたあたたかい詩にも思えてきました。
詩は読むごとに、新しい発見がある気がします。
「いちべついらい 田村和子さんのこと」。
本書の紹介文には
“田村隆一、北村太郎という2人の詩人をスケッチしながら、田村隆一夫人である和子さんとの30年の日々を静かに描きます。”
とありました。
ひょんなことから、稲村ヶ崎の和子さんの家の2階に住むことになった著者の橋口幸子さん。
和子さんと橋口さんは、姉妹のような、友人のような、親戚のような、不思議な縁でつながっていたと感じます。
和子さんのことを一番よくわかっていたのが橋口さんです。
繊細だけど大胆で、やさしいけどちょっと意地悪なところもある和子さんのことを、魅力的に表現しているのが印象的でした。
どちらの本も、芯がしっかりとした内容の濃い本です。
夏葉社さんから発行される本は、本が大好きな人がつくっているという感じがいつもあります。
by ao-yoru-sora
| 2015-06-12 19:16
| 本