2014年 12月 27日
「九月の朝顔」 |
畑尾さんは朗読会を開いており、それをまとめた一冊です。
この本を最初見た時、今までに見たことがない本で少し驚きました。
表紙の製本は手作業で、フランス装という方法。
著者が一冊ずつ本の扉(紙は"竹紙:ちくし”を使用)に朝顔の種を刺繍。
カバーと挿絵は、竹紙に糸で刺繍をして描いた作品。
その他、細部にまでこだわってつくられており、とても丁寧な印象の本です。
本書の「詩が書きたい」という作品の中に
「心のはいった詩
温度のある文章を書きたいと思っている」
とあります。
日々の暮らしの何気ない出来事、近所の人や職場の人とのエピソード、家族とのやりとりなど、畑尾さんの日常生活から生まれた29編の詩は、どれもあたたかい温度を感じます。
特にお母さんとの会話や、手紙、電話でのやりとりをつづった詩はユーモアがあり、親子ならではの関係がわかる作品で、個人的に大好きです。
「九月の朝顔」、そして以前、紹介した「貝殻となり」は、関西を拠点とした出版レーベル・BOOKLORE(ブックロア)からの出版です。
有名無名に関わらず自分達が良いと思ったものを本にし、ひとつ一つの本を長く、大事に販売していきたい、というBOOKLOREの考えに共感しています。
私もひとつ一つの良い本を長く大事に販売していきたいです。
by ao-yoru-sora
| 2014-12-27 16:30
| 本