2014年 08月 07日
「大坊珈琲店」 |

7月に「大坊珈琲店」(大坊勝次著)が出版されました。
この本は、昨年12月に私家本として制作されたものを改訂し、今回は書店にも並んでいます。
内容は、
・大坊珈琲店のマニュアル(大坊さんがお店のことを綴った文)
・写真
・寄稿(大坊さんと縁のある35人の方の寄稿文)
で構成されています。
最初の大坊珈琲店のマニュアルの部分は、活版印刷だそうです。
大坊珈琲店は、38年間、南青山にて営業していたお店で、昨年12月にビルの取り壊しにより閉店しました。
私が大坊珈琲店に初めて行ったのは、6、7年前だと思います。村上春樹のエッセイで知ったのがきっかけです。
確か週末で混んでいたのを覚えていますが、正直、それ以外あまり覚えていません。
その後、3年前くらいに、知人と行く機会がありました。この時、コーヒーが本当に美味しかったことをよく覚えています。
それ以降、たまに一人で行くようになり、5つのブレンドの中の2番をよく飲みました。
コーヒーだけでなく、印象に残っているのがお店の本棚です。ハヤカワミステリや司馬遼太郎、池波正太郎、その他たくさんの本が並んでいました。
その本の多くがこげ茶色に焼けていました。最初は火事で焼け残った本なのかと思っていたら、大坊さんによれば、コーヒーの焙煎の煙でこげ茶色になったとか…。こんな風になるんだとびっくりしました。
大坊さんとは少ししかお話をしたことがないのですが、遠藤周作は読みましたか?丸谷才一は知っていますか?というようなことを聞かれたことがあります。
丸谷才一の本は読んだことがなかったので、早速エッセイ本を読みました。それまで知らなかった本を知ることができ、勉強になりました。
大坊珈琲店に行くと「いらっしゃいませ」、そして帰る時に「ありがとうございます」と、大坊さんが丁寧に言って下さったのが心に残っています。
閉店して改めて、素敵なお店だったと感じています。
by ao-yoru-sora
| 2014-08-07 18:43
| 本