2014年 06月 18日
「記憶のスパイス」 |
「記憶のスパイス」(高山なおみ:料理・文、齋藤圭吾:写真)。
ANAの機内誌「翼の王国」に掲載されたエッセイを一冊にまとめた本です。
ペルーやネパール、ベトナム、インド、フィリピン、国内などを旅した時や子どもの頃の記憶をたどりながら、その時の印象的な料理が紹介されています。
本の雰囲気を陰か陽かで表すなら、陰だと思います。
暗いのではなく、ねっとりとした感じというか、南国の湿気のある感じというか…。
高山さんのエッセイを読んで思うのは、いつも描写が細かく丁寧だということです。
読んでいる方にも、その光景が思い浮かぶような文章です。
夏みかんというタイトルの話に、お父さんは重曹、お母さんは塩を夏みかんにつけて食べていて、おばあさんはトマトに砂糖をふりかけて食べていたというエピソードがあります。
ちょっとした話ではあるのですが、高山さんはこういう記憶を大切にしているんだろうなと思います。
齋藤圭吾さんの写真も文章とともに、ねっとりとした、湿気のある感じが良いな〜と感じます。
by ao-yoru-sora
| 2014-06-18 22:39
| 本